ヘッドアンドショルダーは数あるチャートパターンの中でも一番と言ってもいいほど有名なテクニカル分析です。
ですが、そんな誰でも知っている分析で本当に利益がでるのか疑問を持ちながら使っている人も多くいると思います。
そんな人たちのために今回は検証ソフトのフォレックステスターを使って実際に検証をしてみました。
この記事を読めば、
「検証って面倒くさそうで中々やろうと思えない」
「そもそも検証をどうやればいいのか分からない」
と一歩踏み出せない人たちにとっての後押しになりますのでぜひじっくり読み込んでください！
ヘッドアンドショルダー手法のルール化
検証で一番最初にすることは手法のルール化です。
なぜなら、検証をする目的はある手法が未来の相場で優位性があるかどうか過去の相場で試すことだからです。
つまり、そのときの状況や気分でトレードの判断をしてしまっては再現性がなくなってしまいます。
トレードルールを3つに分けて考えてみましょう。
- セットアップ（どういう相場状況でエントリーを考えるのか）
- トリガー（どうなったらエントリーをするのか）
- イグジット（どうなったらポジションを決済するのか）
この3つをベースに手法のルール化をします。
【セットアップ】
ヘッドアンドショルダーは相場の反転を示すチャートパターンです。
そのため、トレンドがなければそもそも反転という概念はないのでセットアップはこう定義してみます。
上昇トレンドもしくは下降トレンドで反転のサインが出るとき。
【トリガー】
チャートパターンはその形を形成して初めて認識できるものです。
そのため、ネックラインに到達する前はヘッドアンドショルダーと認識はできないのでこう定義してみます。
右肩頭左肩を形成してそのネックラインを割ったとき。
【イグジット】
イグジット（決済）は大きく2つに分けられます。
- 利確（含み益の場合の決済ルール）
- 損切り（含み損の場合の決済ルール）
トレードでは基本的に損小利大をすることでチキン利食いや大損を回避することができるのでこう定義してみましょう。
利確→買いエントリーの場合、高値更新できず安値切り下げしたとき
売りエントリーの場合、安値更新できず高値切り上げしたとき
損切り→ヘッドアンドショルダーのショルダー（肩）の高安値を抜けたとき
証拠金は1万ドル（100万円）になります。
ポジションの量はヘッドアンドショルダーのヘッドの価格まで一気に逆行してしまっても、1トレードの損失額が資金の5％に収まるように調節します。
さて、これで手法のルール化ができました。
次にこれを過去の相場で機能するのか実際に試してみましょう。
実際に検証した結果
今回はポンド円2023年1月1日～12月31日までの一年間で検証してみました。
下記の表が結果になります。
| 合計トレード:=7 | 勝ちトレード:=3 | 負けトレード:=4 |
| 総利益=1257.40ドル | 利益計=2579.97ドル | 損失計=1322.56ドル |
| プロフィットファクター=1.95 | 平均利益=859.99ドル | 平均損失=330.64ドル |
| 利率, %=12.57 | ||
| 勝率, %=43 |
逆張り手法ですが損切りをしっかりすることで利益を残すことはできました。
うまく転換があたれば利益が伸びるところもありました。
ただきれいにヘッドアンドショルダーを形成することは意外と少なかったです。
1年で合計トレード回数7回という結果になり、トレンドができている最中にチャートパターンを形成することがなく大きく利益を上げられるところでノーポジションなことが多い印象です。
実際のトレードポイントは下記の画像です。
緑ラインが利確、赤ラインが損切りという見方になっています。
まとめ
今回の検証から以下のことがわかりました。
- ヘッドアンドショルダーで利益は出せる
- 勝率はそんなに高くない
- チャートパターンを形成したとしても転換しないことは意外と多い
- トレンド中にチャートパターンが形成されず、利益を出しやすいところでトレードができない
個人的には逆張り手法でトレードはあまりしたくない派ですが思ったより機能している印象を受けました。
この年はトレンドがある程度できていたので利益を伸ばすことができましたが、レンジ相場が続く年では利益が上がりづらいと思います。
今回は1年間だけの検証ですが本来であれば最低でも5年分、できれば20年分の検証をし、再現性を確認した上でリアルトレードをしていただきたいです。
相場は非常に不確実性が高いので時期によって利益がでたり損失がでたりします。
数年で安定的な利益を残せる手法をリアルトレードでは使うようにしましょう。
今回の記事はいかがだったでしょうか。
このブログで「検証のやり方が分からない」「中々重い腰が上がらない」という人達へ少しでもヒントになれればと思います。
これからもトレードの勉強を一緒に頑張っていきましょう！
